地域と繋がる土間空間のある家

Michiko JUTO Michiko JUTO
SAIWAIの家, 株式会社 N&C一級建築士事務所 株式会社 N&C一級建築士事務所 Будинки
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新築でありながら土地の歴史を継承し、地域に馴染んだ住宅を紹介します。家族所有の広大な敷地に店舗や駐車場などを含む既存のエレメントが混在する中に計画されたモダンな住まいで、N&C一級建築士事務所が手がけました。さっそく見ていきましょう。

既存の建物や駐車場に囲まれた立地

のどかな郊外の520坪の敷地には家族が代々営む米屋の店舗、灯油庫、母屋や賃貸アパートや駐車場など様々な既存の建物や用途が混在しています。その中で倉庫を取り壊し、今回2人の子どものいる夫婦のために住宅が計画されました。明確な敷地境界を持たない既存のエレメント以外の余白は駐車スペースだったり通路として使われていた敷地。プライバシーへの配慮から外部に対して閉じたデザインを採用しています。

ひと際目立つスタイリッシュな外観

道路に面した西側のファサードには上階に大きな開口を配置。内部の床面を下げることで視線を交わしつつ明るく開放的な空間を作り出しています。片流れ屋根のモダンな外観はグレーと黒の配色でより一層スタイリッシュな雰囲気に仕上がっており、周囲と一線を画した佇まいを見せています。

人が集う場所

計画地周囲には複数の自動車が駐車され、望ましい環境ではないため、1階は東側のみに開かれた計画としています。こちらは商店に面した北側の玄関です。引き戸を開けると外部の延長として土間空間が続きます。外部の通路や駐車場といった曖昧な場所で繰り広げられてきた地域の人や昔からの知人たちとの宴会の場が土間空間まで拡張されることを意識したデザインです。

外部と繋がる土間空間

土間から小上がりのある和室が続きます。居室との仕切りはガラス戸で連続性や広がりをもたらし、東側に設けた大きな開口と共に開放感を感じさせます。天井や壁には木板を使用。温かみのあるどこか懐かしい雰囲気の空間が素敵ですよね。右手は玄関ホールと階段そして寝室を配置しています。

【土間については、こちらの記事でも紹介しています】

 知っておきたい!いま流行りの土間のメリット・デメリット 


ガラスの引き戸で空間の広がりを強調

閉じた部分と開かれた部分がバランス良く共存し、プライバシーを確保しつつ周辺環境と緩やかに繋がる心地良い住まいです。畳の空間は土間と繋がり、 人々の交流の場としても大活躍。縁なし畳を採用することでモダンでスタイリッシュな雰囲気の和の空間を演出しています。

木の風合いが魅力的なLDK

2階にはLDKと水廻りを配置しています。ワンルームタイプのLDKですが、真ん中に設置した階段によってくつろぎの場であるリビングとダイニングキッチンのゾーンが緩やかに分けられています。階段に沿って設けたスノコ状の廊下は、上階の光を暗くなりがちな1階へと届ける役割をすると共に立体的な繫がりや家族の気配などを感じさせる多機能を兼ね備えています。そして廊下から続くバルコニーがさらに広がりと抜け感を作り出し、閉塞感を感じさせない住空間を演出。

段差が生み出す豊かな空間

リビングエリアは床面を下げて西側に設けた大きな開口からプライバシーを確保。木板張りの緩やかな傾斜天井が空間全体を包み込む大らかな雰囲気が素敵ですよね。2階には1階と打って変わってハイサイドライトや掃き出し窓などたくさんの開口を設け、周囲の景色や気持ちの良い風を室内に取り込んでいます。

【天井材については、こちらの記事でも紹介しています】 

※ 天井材がインテリアを決める!その種類と選び方

プライバシーを確保しながらも開かれた住まい

2階の一部には天井の高さを利用してロフトを設けています。大きな開口越しに住み慣れた街の様子が伺える抜け感のある多目的な空間です。畳敷きなのでごろんと横になったり客間や子どもの遊び場などにも打って付けですよね。新旧が融合する街並みと難しい立地環境の中に生まれた多様性に富んだこの住宅は、様々な交流と歴史を継承する空間を中心に家族がほっこりできる様々な場所を内包しています。

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