近ごろ、インターネットを通しAirbnbを使って部屋を貸し借りしたりなど、不動産物件や賃貸の写真をインターネットにアップする機会が増えてきました。建築写真家が撮影する美しいスチール写真は、やはりプロの機材やテクニックがあってこそですが、それでも自分で少しでも上手に撮影できればと考えている方が非常に多いと思います。ここでは、素人でもコンパクトデジカメを使って、いつもより上手に見える室内写真の撮影のポイントをご紹介します。
スマートフォンで手軽に撮影できる今、でも「他より差をつけた写真で自分の家を撮影したい」という人へのお薦めは、シグマがから発売のレンズ一体型高級コンパクトデジカメ「dp0 Quattro」シリーズです。IWASAKI DESIGN STUDIOが手掛けたのグリップ形状をもつ個性的でスリムなボディーデザイン。写真「dp1 Quattro」は標準レンズ搭載、写真表現の基本です。また同シリーズ中の「 dp1 Quattro」や「dp0 Quattro」では35mm判換算で21mm相当の広角レンズを搭載。これほどの広角ながら広角レンズ特有のゆがみが出ない光学設計に仕上げられるのはレンズ開発を自社でできるシグマならではの特徴です。パースペクティブを活かした広いリビングルームや家の外観の撮影時にも役立ちますね。
まずは、どのように室内写真を撮影したいかイメージしましょう。「何のために、何を、どのように撮影するか」、このコンセプトが大事です。「どのような家の印象を与えたいか」そのプランに沿って、家具や小物の足し算と引き算をします。ごちゃごちゃした室内を片付け、クッションの色を変える、ベッドメイキングの細部に気を配る、または観葉植物を足してみるなど工夫をしてみましょう。この写真では、大きな多目的スペースを子供の遊び部屋として利用できるアイデアをおもちゃを配置することによって写真で示唆していますね。どのような人に家を借りて欲しいかなどという点も写真コンセプトを考える際に大事になります。
魅力的な室内写真を撮影するためには光のコントロールが大切です。必ず部屋にある照明をつけて撮影しましょう。自然光を入れて撮影する場合は窓の大きさや場所、また自然光の強さによって写真の印象が変わります。撮影の時間帯には注意しましょう。ライティングや演出のために蛍光灯や間接照明を増やしてみるのも良いでしょう。どうしても室内が暗く映ってしまう場合は、AEL機能(オート・エクスポージャー・ロック)を使用し露出を調整すれば室内を明るく撮影することができます。
写真:萩原ヤスオ
ライティングが決まったら、次にホワイトバランスを確認しましょう。ホワイトバランスとは、光源の色を判断し、白いものを白と判別して補正する機能のことをいいます。ホワイトバランス補正を行わないと、青みがかった写真、黄みがかった写真など、室内写真の印象を大きく左右します。白いものを白く写すのが自然で美しい写真に仕上げるコツです。
実は、家具やメインの空間を正面からきれいに撮影するには細かいテクニックが必要です。二分割構図と言われるシンメトリー写真には水平線が斜めにならないように細心の注意が必要です。素人でも少し上手に見える撮影構図は、放射構図という収束点を作って奥行きを出す構図だと言われています。写真の様に少し斜めから撮影するのがおすすめです。
室内写真と同様に、外壁の質感や全体的な家の印象を撮影するポイントもやはり、光の反射と陰影です。日の低い秋から冬にかけての逆光撮影は難しいので、画面に太陽が入ることがない日の高い夏の逆光撮影がおすすめです。自分の家をどう魅せたいかというイメージに沿って、たとえば子供やカップルなどの人物を画面に入れてみるのも効果的です。
撮影:平野和司